パンくずリストとは？設置おけるSEO効果や作り方、種類を解説！

パンくずリストとは

パンくずリストとは、ウェブサイトの階層構造を視覚的に示すナビゲーションです。ユーザーが現在訪問しているページの位置を把握し、上位階層にスムーズに戻ることを助けます。

パンくずリストは通常、トップページから対象ページまでの経路をリンク形式で表示します。ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与するだけでなく、内部リンク構造も強化します。検索エンジンがサイト全体の構造を効率的にクロール・インデックスすることもできるため、SEOの観点からも重要であると言われています。また、構造化データ（Schema.org）を使用することで、検索結果に直接表示されるパンくずリストを実現することが可能です。

パンくずリストの由来

パンくずリストの由来は、童話「ヘンゼルとグレーテル」が基になっています。

童話の中にはヘンゼルとグレーテルが森においてきぼりにされるシーンがあります。迷わず家に帰ることができるようにとヘンゼルが考えたのが、帰り道を記録する目的でパンくずを落としながら進むという方法でした。そんなエピソードが、ウェブサイト内での現在位置を示し、ユーザーが上位階層や起点に戻るための道筋を視覚的に表示するナビゲーション機能であることから、パンくずリストという名称が付けられているのです。なぜパンくずリストというのかの答えはここにあります。

童話では鳥にパンくずが食べられるというオチがある一方、ウェブサイトのパンくずリストはしっかりと構造化されており、ユーザーと検索エンジン双方にとって信頼性の高いナビゲーションとして機能します。

パンくずリストの英語での言い方

パンくずリストの英語表記は、一般的に「breadcrumb navigation」または「breadcrumbs」とされます。この用語はGoogleの公式ガイドラインや構造化データ（Schema.org）のドキュメントでも採用されており、SEOおよびWebデザインの分野で広く認知されています。特に「breadcrumbs」は、検索エンジンやクローラーがサイト構造を効率的に理解する手助けとなり、検索結果に表示されるナビゲーション要素としても活用されます。

また、簡潔で専門性の高い表現であるため、Web管理者やSEO担当者にとって標準的な用語として使用されています。他に正式名称として「breadcrumbs list」や「topic path」と表記されることもありますが、一般的には「breadcrumbs」が最適とされています。

パンくずリストのメリット

パンくずリストを設置することでのメリットを挙げてると以下が考えられます。

• ユーザーが現在どのページにアクセスしているかを示すことで探している情報にアクセスしやすくなる
• Googleによるクロールをサポートすることでクローラビリティの改善になる

パンくずリストの主なメリットは、UX（ユーザーエクスペリエンス）の向上とSEOの強化にあります。

まず、パンくずリストはユーザーが現在アクセスしているページの位置を階層的に示すため、情報の探索が容易になり、離脱率の低下や滞在時間の増加につながります。また、Googleのクローラーに対してサイト構造を効率的に伝える役割も果たし、ページのインデックスが迅速かつ正確に行われる可能性が高まります。

ユーザー体験と検索エンジン最適化の両方を効果的に支えるパンくずリストはウェブサイトには必須です。

パンくずリストの種類

パンくずリストの種類は3種類あります。

• 位置型パンくずリスト
• 属性型パンくずリスト
• パス型パンくずリスト

それぞれのパンくずリストの種類を解説します。

位置型パンくずリスト

位置型パンくずリストの特徴は、サイトの階層構造に基づいて、現在のページがどの位置にあるかを示します。

トップページ > カテゴリ > サブカテゴリ > 現在のページ

主に大規模なサイトや階層が深いサイトで利用され、ユーザーが現在の位置を把握し、上位階層に移動するための道筋を示します。ECサイト（商品カテゴリ）やニュースサイトでよく見かけます。

属性型パンくずリスト

属性型パンくずリストは、現在のページの属性やフィルタリング条件を基に生成されるパンくずリストです。

ホーム > メンズ > シューズ > スニーカー > ブラック

ユーザーが絞り込み検索やフィルタリングを行った際に、その条件を視覚的に表示し、他の選択肢に素早く戻れるようにします。ショッピングサイトで色、サイズ、ブランドなどの条件指定をしたときに使用されています。

パス型パンくずリスト

パス型パンくずリストは、ユーザーが辿った経路（ブラウジング履歴）を記録する形のパンくずリストです。

パンくずリストの作り方

パンくずリストを作るには、WordPressのテーマ設定を利用する方法、プラグインを使う方法、自力でコードを実装する方法があります。

それぞれの方法について詳しく解説します。

WordPressのテーマの設定でパンくずリストを有効化

WordPressでサイトを作成している場合のパンくずリストは、特に有名な多くのテーマではデフォルトでパンくずリスト機能が提供されています。

WordPress管理画面の【外観】→【カスタマイズ】を開き、【パンくずリスト】かたは【ナビゲーション】に該当する項目の設定を有効にすることで使用可能になります。

プラグインを使用する

テーマにパンくずリスト機能がない場合や、高度なカスタマイズを求める場合は、プラグインが便利です。おすすめのプラグインに「Yoast SEO」や「Breadcrumb NavXT」が挙げられます。

Yoast SEOにはパンくずリスト機能が組み込まれており、ダウンロードして有効化するだけで簡単に実装できます。新規プラグインの追加からYoast SEOを選択しダウンロードします。

管理画面に「SEO」が表示されたら→「検索での見え方」→「パンくずリスト」
→「有効」→表示場所を指定する。

必要に応じて設定値を決め、調整します。

Breadcrumb NavXTはパンくずリストを高度にカスタマイズ可能にする専用プラグインです。過去のWordPressプラグインBreadcrumb Navigation XT の後継です。Breadcrumb NavXTを使用してパンくずリストを設定する場合、パンくずリストを表示したい位置にコードを記述する必要があります。

テーマの適切な箇所（header.php）に以下のコードを追加して表示します。

if (function_exists('bcn_display')) {
    bcn_display();
}

コードを手動で記述して実装する方法

より細かい制御が必要な場合、自分でコードを記述する方法もあります。

以下のコードを functions.php に追加し、パンくずリストを生成します。

function custom_breadcrumb() {
    echo '<nav class="breadcrumb">';
    if (!is_home()) {
        echo '<a href="' . home_url() . '">Home</a> » ';
        if (is_category() || is_single()) {
            the_category(' » ');
            if (is_single()) {
                echo ' » ';
                the_title();
            }
        } elseif (is_page()) {
            echo the_title();
        }
    } else {
        echo 'Home';
    }
    echo '</nav>';
}

テーマの適切な箇所（header.phpなど該当箇所）に以下を追加して出力します。

<?php custom_breadcrumb(); ?>

パンくずリストを作る時の注意点

パンくずリストを作る時の注意点をまとめます。以下に注意して設置しましょう。

• 階層を深くしすぎない
• 対策キーワードをパンくず（アンカーテキスト）に含める
• パンくずリストは全ページの上部に配置する
• リンク切れが無いか確認する
• モバイル表示を意識する

パンくずリストはシンプルな構造であることが望ましく、ユーザーから見てわかりやすい階層構造にします。すべてのページで「トップページ > カテゴリ > サブカテゴリ」のように階層を一貫して表示すると良いでしょう。上部への配置が基本です。

まとめ

パンくずリストはユーザーが検索からウェブページへ辿り着いた場合も、トップページから巡った場合も、「今どこにいるのか」を明確に表示しユーザーをナビゲートする機能です。ユーザーおよびGoogleにとって分かりやすく、利便性の高いパンくずリストを作成するためには、ウェブサイト作成の初期段階におけるサイト構造の適切な設計が求められます。

ウェブサイトのUXを高めるためにパンくずリストの最適化に務めてみてはいかがでしょうか。