サイテーションとは?SEO効果とやり方を基礎からわかりやすく解説!

サイテーションとは

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要約

  • サイテーションとは、言及を意味する
  • 外部のウェブサイトやSNSなどで、人物、サイト名、サービス名がテキスト情報で言及されると、検索エンジンから高く評価される
  • ネガティブな言及ではなく、ポジティブな言及を集めることで、より高い効果が期待できる

SEOの分野では、「サイテーション」という言葉を耳にすることがあります。サイテーションとは何か、また、サイト運営においてどのような役割を果たすのか気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、サイテーションの基本について詳しく解説いたします。

サイテーションとは

サーイテーションは英語でcitationと書きます。

日本語に訳すと引用、または言及という意味です。自サイト以外の場所で自分の名前サイト名、サービス名、ブランド名などがテキスト情報として掲載されたり言及されたりする状態を指します。たとえば、Twitterでサイト名が言及される場合や、プレスリリースで紹介される場合などがこれに当たります。

「このお店が良かった!」などと店舗の名前や住所が記載されることがサイテーションとなります。あなたのサイトや自社サービスの名前がネット上で言及されることも、サイテーションです。

サイテーションの種類

サイテーションには構造化型サイテーションと、非構造化型サイテーションの2種類が存在します。
構造化型サイテーションと、非構造化型サイテーションの違いは以下の通りです。

構造化型サイテーション

構造化型サイテーションとは、個人、ビジネス、ブランドなどの情報が決まった形式で整理されて表示されることを指します。個人のプロフィールやブランドの詳細、ビジネス名、住所、電話番号などが、統一されたフォーマットで掲載されることです。

  • プロフィールページ
    個人プロフィールページやLinkedInといったSNSでは、名前、職業、経歴などが統一された形式
  • ブランド情報
    AppleのiPhone紹介ページのように製品名、スペック、価格が整理されて表示される形式

構造化型サイテーションでは、形式化されている決まった要素で表示されるため、検索エンジンは整理された言及から情報を理解しやすくなります。

非構造化型サイテーション

非構造化型サイテーションとは、個人、ビジネス、ブランドなどの情報が特定の形式に従わず、自然な形で文章中に紹介されることを指します。ブログ記事、ニュース記事、SNSの投稿などでよく見られるフォーマットが統一されてない言及です。検索エンジンが内容を理解するには、多少の手間がかかりますが、それでもその対象の存在を示す重要な要素で構成されていれば、サイテーションとして成り立ちます。

  • ブログ
    個人のブログで「〇〇さんの学びあるセミナーに参加しました」といった形で個人の名前が自然に紹介される。
  • ニュース記事
    ニュース記事で「新発売の〇〇が話題に」とブランドや製品について書かれる。
  • SNS
    X(旧Twitter)で「〇〇カフェの新メニューがおいしかった」とお店やサービスが自然に取り上げられる。

非構造化型サイテーションは、特定の形式にとらわれず自然な形の言及が増えることで、検索エンジンはその対象の存在や関連性をエンティティとして認識するため、信頼性や知名度を評価する材料となります。

サイテーションと被リンクの違い

サイテーションと被リンクの主な違いは、リンクの有無にあります。被リンクは他サイトからリンクが貼られることでSEO効果を生み出しますが、サイテーションはリンクがなくても効果を持つとされています。これはノンリンクサイテーションと呼ばれ、特定の固有名詞やキーワードがテキストで言及されるだけでも、検索エンジンに対して評価の対象となります。

サイテーションは、リンクを含まない「言及」のことです。これに対し、被リンクは自分のサイト以外の場所にリンクを貼られることを指します。

被リンクの詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

サイテーションで狙うべきサイテーションワードとは?

SEO対策の1つに、外部で言及を促すと効果的なサイテーションワードがあります。
具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 自サイトの名前
  • 運営者の情報(名前・住所・メールアドレス・電話番号)
  • ハンドルネーム、ニックネーム、略称
  • SNSのアカウント名
  • ブランド名、自社商品名、サービス名
  • 著作物、特許等の特有の番号
  • 各種資格
  • サイテーションを知るために

このようなサイテーションワードが外部で言及されることで、リンクが貼られていなくても検索エンジンにその存在を強く知らせることができます。当サイトでも、「山奥SEO」というキーワードを用いて、指名検索や言及を促し、サイテーションが検索結果に与える影響を実験的に調査し続けています。

サイテーションのSEO効果とメリット

サイテーションは、リンクが貼られていない単なるテキストでの言及(ノンリンクサイテーション)でも検索エンジンに評価されるとと考えられています。それでは、サイテーションが具体的にどのようなSEO効果やメリットをもたらすのかを詳しく解説していきます。

E-E-A-Tでの認知度の向上・ブランド認知度の向上

サイテーションワードが外部のウェブサイトで繰り返し言及されることで、検索エンジンはそのビジネスやブランドの信頼性を高く評価します。ビジネス名やブランド名、住所などが様々なウェブサイトで言及されると、検索エンジンはそのビジネスが実在しており、信頼に値すると判断します。これは、検索エンジンが評価の指標として取り入れているE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)に直接影響を与えます。特に医療や金融など信頼が重視される業界において、強くSEOに作用する要素となります。

検索流入の増加とランキングの向上

サイテーションによってビジネス名やブランド名が広く認知されると、ユーザーによる指名検索の頻度が増加します。指名検索とは、ユーザーが特定のビジネス名やブランド名で直接検索することを指し、検索数が増えることで、検索エンジンに対してそのビジネスやブランドの信頼性を示すシグナルとなります。
結果としてサイト全体の評価が高まり、関連するキーワードなどで検索ランキングが向上するため、オーガニック検索からの流入増加や、被リンク獲得の機会も増えるでしょう。

ローカルSEOのおける信頼性の向上

特にローカルSEOにおいては、ビジネス名や住所、電話番号(NAP情報)が他のウェブサイトやプラットフォームで言及されることが信頼性の向上に繋がります。ローカルSEOでは、検索エンジンがビジネスの地理的な関連性を評価し、ユーザーに最も適したローカルビジネス情報を表示するために、サイテーションが効果を発揮します。たとえば、地元のニュースサイトやレビューサイト、地域情報を発信するサイトで名前や住所が言及されると、検索エンジンは「そのビジネスは地域に密着して存在している」と判断され、検索結果でのランキングが向上します。

サイテーションの獲得方法は?

サイテーションを獲得するためには、できるだけ多くの人に自サイト名や企業名を知ってもらうことが最も効率的です。広く認知されることで、他のメディアやサイトから引用や言及される機会が増え、サイテーションを獲得しやすくなります。ここでは、サイテーションを効率的に得るための具体的な方法をまとめました。

オリジナルコンテンツで差別化を図る

オリジナリティに溢れた質の高い記事を作成することで、サイテーションを獲得しやすくなります。ユーザーが記事の内容を有益と判断し、信頼性や権威性を感じた場合、他のサイトやSNSで自然に言及される可能性が高まります。特に、独自性のあるコンテンツは他にない情報と見なされ、引用される機会が増えるでしょう。

構造化データの導入

サイテーションを増やす手段の一つとして、構造化データを自サイトに組み込むことが挙げられます。これは比較的手軽に実施できる施策ですが、即効性はなく、サイテーションの獲得には時間を要する場合があります。

構造化データを組み込むことで、Googleなどの検索エンジンに対し、サイトやコンテンツの内容を正確に伝えることができます。コンテンツの内容が詳細かつ正確に伝わることで、検索エンジンにおける表示が最適化され、結果としてサイトの目立ち方が向上します。

例えば、検索結果にリッチリザルトが表示されることでクリック率が改善され、サイトへの訪問者数が増える可能性があります。また、ナレッジパネルが表示されることで、サイトの信頼性や権威性が高まり、それがサイテーションの獲得につながるでしょう。

Google検索が推奨する構造化データマークアップについては、こちらの公式ドキュメントをご参照ください。

Google 検索がサポートする構造化データ マークアップ

SNSでの情報発信

SNSを活用してサイテーションを増やすことも可能です。スマートフォンの普及により、誰もが何らかのSNSを利用しており、SNSを通じて幅広いユーザーに自サイトや企業の情報を発信できます。
特に、SNSの分析ツールを使って、ユーザーの反応や最適な投稿タイミングを把握することで、ターゲットユーザーに効果的に情報を届けることができます。

SNSを効率的に運用するためには、各SNSに適した視覚に訴えかける印象的な文章や動画、画像を使うことがポイントです。また、各SNSのユーザー層や属性を考慮した情報発信や自サイトに関連するハッシュタグを活用することで、より多くのユーザーに自サイト名やブランド名を認知してもらうことが期待できます。

また、SNS上でインフルエンサーとのコラボレーションを通じて、彼らに自サイトやサービスを紹介してもらうことも、短期間で広範なユーザーに認知される有効な手段です。

広告出稿

広告出稿は、多くのユーザーにコンテンツを露出することで、他メディアや他サイトから言及を促進する効果が期待されます。
特に、サイテーションを増やすためには、ビジネスに関心を持つユーザーをターゲットにした広告配信が効果的です。たとえば、GoogleやFacebookの広告プラットフォームを活用することで、ユーザーの興味・関心、検索履歴、過去の購入履歴などをもとにターゲティングを行い、ビジネスと親和性の高いユーザーに広告を届けることができるでしょう。ターゲティング機能により、広告が適切なユーザーに届き、他サイトでの引用や言及が発生しやすくなります。

Googleビジネスプロフィールへの登録

サイテーション

Googleビジネスプロフィールへの登録は、特にローカルビジネスを展開している場合に非常に有効な手段です。地元の情報を探しているユーザーは、Googleマップで店舗を検索する際に、Googleビジネスプロフィールから得た情報を参考にすることが多く、軽視できない存在です。サイテーションの獲得とリアルな集客の双方を考慮する場合、Googleビジネスプロフィールへの登録は欠かせない施策と言えるでしょう。なお、このサービスは法人やビジネスを運営する場合に適しており、個人利用には限界があります。

外部メディアでの紹介や掲載

自サイトが提供するサービスやコンテンツを情報メディアに掲載してもらうことでも、サイテーション効果が得られます。特に影響力のあるメディアでの掲載は、信頼性と露出を同時に高めることができるため、検索エンジンからの認知度も向上します。

ただし、掲載するメディアのテーマやトピックが自サイトのサービスやコンテンツと一致していない場合、期待できるほどの効果が得られにくくなるため、テーマ性の一致を意識しましょう。また、サイテーションの効果を最大限に引き出すためには、自サイトのアピールポイントに固執するのではなく、組織や関係者の人物像などを明確に紹介してもらうことで、Googleにエンティティとして正確に認識されるようにすることが求められます。Googleに自サイトやその運営者を正確に特定させることで、検索順位やE-E-A-Tに反映されやすくなります。

サイテーションが獲得できたのかを調べる方法

サイテーションが獲得できているかを確認する方法は2つ存在します。

Google検索で調べる方法

サイテーション

Googleの検索フォームに

“調べたいブランド名や単語” -site:自サイトURL

と入力します。

当サイトのSEO対策研究室をサンプルとして柏崎剛を調べる場合の例を挙げます。

“seo対策研究室” -site:https://www.tsuyoshikashiwazaki.jp/

-site:の前には半角のスペースを必ず入れてください。
-site:はwww.tsuyoshikashiwazaki.jpを”除外する”という指示となるため、自サイト以外で言及されているページを知ることができます。

Yahoo!リアルタイム検索を使った調べ方

サイテーション

主にSNSでの言及を確認する方法として、Yahoo!リアルタイム検索があります。Yahoo!のトップページなどにあるタブからリアルタイム検索に切り替え、サイト名や自分の名前、ビジネス名を検索することで、SNSやブログ、ニュースサイトなどで特定のキーワードに関する投稿やニュース記事をまとめて調べることが可能です。

もちろん、各プラットフォームで直接検索することもできますが、Yahoo!リアルタイム検索を使うことで、これらの情報を一括して効率的に確認することができます。

よくない評判(ネガティブなサイテーション)は悪影響なのか

ただサイテーションが増えれば良いというわけではなく、できるだけネガティブなサイテーションは避ける方が望ましいとされています。近年、SNSを中心にネガティブな言及で注目を集めるケースが増加していますが、否定的な評価が多いサイトは、信頼性が低いと見なされ、Googleの評価にも悪影響を与える可能性があります。

 

現在のGoogleの検索品質評価者向けガイドライン(Search Quality Evaluator Guidelines)には、この点が明確に記されています。例えば、ガイドラインの55ページには、「5.4 Web サイトまたはコンテンツ作成者の軽度の否定的な評判」として、「Web サイトまたはコンテンツ作成者に軽度の否定的な評判がある場合は、『低』評価を使用する必要があります」と示されています。

5.4 Mildly Negative Reputation of the Website or Content Creator
The Low rating should be used if the website or the content creator has a mildly negative reputation.

searchqualityevaluatorguidelines.pd

特にスパムサイトや詐欺的なサイトは、最低評価が適用されるべきとされていますが、意図せずにネガティブなサイテーションを受ける場合もあります。このような場合、深刻な影響はないものの、軽度の否定的な評価とされ、サイトの評価に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

以上のことからも、運営者にとって肯定的なサイテーションを獲得し続けるためには、常に高品質なコンテンツを提供するといった意識が最優先の課題となるでしょう。

まとめ

サイト運営者であれば、自身に関する肯定的な言及や引用を増やしたいと考えるのは自然なことでしょう。サイトの運営や事業拡大、ブランド認知において、外部からの評判や言及は、重要な評価基準の一つとなります。良質なサイテーションが増えることで、SEOにも良い影響を与え、E-E-A-Tを高めることができます。

サイテーションの効果を上げるためには、ユーザーの信頼を得られる独自性の高い、有益なコンテンツを作り上げることが最短の道となるでしょう。

サイテーションとはなんですか

サーイテーションは英語でcitationと書きます。日本語に訳すと引用、または言及という意味です。自サイト以外の場所で自分のサイトの名前・サイト名・サービス名・ブランド名といった情報が掲載されたり言及される状態を言います。

サイテーションを確認する方法は?

Google検索で調べる方法と、Yahoo!リアルタイム検索で調べる方法の2つがあります。Google検索では検索窓に「“調べたいブランド名や単語” -site:自サイトURL」を打ち込みます。Yahoo!リアルタイム検索ではXとFacebookでの言及を調べることができます。

MEOのサイテーションとは?

MEOは「Map Engine Optimization」の略で、マップエンジン最適化と言います。Googleマップなどの地図アプリのことです。マップにおいて上位表示するために言及されることをMEOのサイテーションと言います。MEOの外部施策の一つです。

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