ピラーとクラスターの分け方:トピッククラスター&カニバリチェック編
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要約:
- ピラーコンテンツとクラスターコンテンツの切り分けは、上位表示されているサイトをベンチマークした上で判断する。
- 関連キーワードから導き出したデータを元にトピッククラスターモデルを構築する。
- 追加する記事やキーワードをピラーに記載するか、クラスターとして別ページに記載するかを判別可能なツールを紹介。
はじめに
トピッククラスターモデルにおいて、新規コンテンツを作成しようとする際に、既にあるピラーページ(ピラーコンテンツ)に新しい情報を追加するべきか?
または、クラスターページ(クラスターコンテンツ)を新規ページとして、別に作成するか?というように、コンテンツの設置方法に悩まれる方も多いのではないでしょうか。
メイントピックにおける関連キーワードや関連コンテンツを、すべて別ページとしてクラスター化してしまうと、ピラーの役割は単なる目次ページとなってしまいます。
新たらしいキーワードでコンテンツを追加する際は、既にあるピラーページに組み込み、網羅的に解説してしまう方が作業は簡単ですが、トピックについて深く掘り下げてコンテンツを構築する場合は、ピラーページから情報を切り出し、クラスターページとして新たに作成した方がよい場合もあります。
しかしながら、クラスター化を行う場合は、似たようなテーマの複数ページを持つことにもなる為、カニバリゼーションを起こす可能性があります。
このピラーとクラスターについて、カニバリゼーションを起こさないように選別して、どのように設置していくかを解説していきます。
そもそもトピッククラスターとは何かを知りたい方は、以下のページで詳しく紹介しているのでご覧ください。
成功している競合サイトを見るべき
SEOの答えはGoogleのみぞ知る世界。自分自身の頭でいくら考えても、答えは導き出せません。
そこで、実際にGoogleが評価をしているサイトをベンチマークした上で判断を行えば正しい回答を得られます。
ここでは「キャットフード」というコンテンツでピラーページを構築している仮サイトを用いて解説していきます。
キャットフードは、月間検索数が約50,000件と高ボリュームの人気キーワードです。
月間検索ボリュームは下記のツールを使って無料で調べることができます。
おそらくキャットフードを製造しているメーカー、商品を販売しているECサイト、それを紹介するアフィリエイトサイトといった面々が、しのぎを削る戦いを行っているSEO激戦区であることは想像に容易いでしょう。
事前準備として、「キャットフード」のキーワード特性を見てみましょう。
YMYLジャンルではないか?E-A-Tが強く影響するジャンルではないか?を予めチェックしておきます。
医療や金融、政治、宗教といったYMYLジャンルではなく、またE-A-Tを極端に必要とするコンテンツではない事がわかりました。
安心してトピッククラスターモデルを用いたコンテンツの構築方法に移りたいと思います。
ちなみに上記で使用した「キーワードジャンル調査」は、下記URLから無料で使用する事ができます。
関連キーワードを抽出して新規コンテンツ案を作る
ここでは、再検索キーワードを調査することで、「キャットフード」に関連するキーワードをピックアップしていきます。
まずは、以下のURLにアクセスして、「キャットフード」の再検索キーワードをエクセルにコピペしましょう。
再検索キーワードとは、例えば「キャットフード」とGoogleで検索した際に、検索結果の一番下に表示される「他のキーワード」のことを指します。
再検索キーワードについては、別記事で解説していますので、詳しく知りたい方は、下記URLを御覧ください。
PCやSPといったプラットフォームも重要な要素となるので、ページ来訪者にスマホユーザーが多い場合は、SPにて調査した結果データを使うことをお勧めします。パソコンとスマホでは、再検索キーワードが異なるので注意が必要です。
それでは、「キャットフード」で調査した再検索キーワードの一覧を見てみましょう。
Microsoft Excelにデータ貼り付けた表は、以下のようになりました。
まず、出現回数が多いキーワードのみにフォーカスします。1回のみ出現している再検索キーワードは、今回は対象範囲外とします。
また、メインキーワードである「キャットフード」の直下に出現した再検索キーワードにも着目しつつ、最近話題のPASF(他の人はこちらも検索)にも目を通しましょう。
次は更に重要なキーワードを絞り込みます。
6回重複している「食べてはいけない キャットフード 実名」は、「キャットフード」を検索しているユーザーが、最終的に行き着くニーズの強い再検索キーワードです。
また、5回出現している「本当に良いキャットフード」は、直下再検索とPASFにも出現しています。
同じく、「キャットフード 安全」「キャットフード 安い」「キャットフード 食いつきランキング」も複数回重複して出現しており、直下再検索、またはPASFにまたがるキーワードなので、「キャットフード」のピラーページへ組み込みを検討するキーワードとします。
関連キーワードからトピッククラスターモデルに落とし込む
それでは早速、抽出したキーワードをもとに、トピッククラスターモデル構築ツール「ピラクラ」を用いて調査を行っていきましょう。
今回紹介するピラクラというツールのURLは、ページの後半でご紹介しますので、まずはその考え方と使い方を読み進めながら習得してください。
「キャットフード」と「本当に良いキャットフード」
「本当に良いキャットフード」は、重複5回、直下再検索とPASFにも出ている再検索キーワードです。
「キャットフード」のメインコンテンツに「本当に良いキャットフード」のコンテンツを組み込むべきか、または別ページとしてクラスタ化するべきかを調べてみましょう。
上記の結果は、「キャットフード」にてGoogleで上位表示化に成功している10ページ(サイト)に、「本当に良いキャットフード」のコンテンツも含まれているか、また上位表示されているかどうかを調査した結果です。
「本当に良いキャットフード」のコンテンツが含まれているかどうかは、Googleで「本当に良いキャットフード」を検索した際にヒットするページが、「キャットフード」で検索した際にヒットした同ドメインのページと一致しているかをチェックしています。
データを見る限りでは、「キャットフード」と「本当に良いキャットフード」は別ページにしているサイトが多いことがわかります。
しかしながら、10ページ(サイト)中の4ページ(サイト)はピラーページ(「キャットフード」)に「本当に良いキャットフード」のコンテンツも組み込んでいます。
この2つのキーワードは、カニバリを起こさないことがわかりましたが、関連性はまったく無いわけではない為、【クラスター化しつつも、内部リンクで連携する】が最適解となります。
「キャットフード」と「キャットフード 安全」
「キャットフード 安全(ランキング 市販)」は、重複3回、直下再検索とPASFにも出ている再検索キーワードです。
厳密には、「キャットフード 安全 ランキング 市販」のように「+ランキング 市販」といった余計なキーワードも入っていますが、今回は見なしで「キャットフード 安全」とまとめてしまいます。
「キャットフード」のメインコンテンツに「キャットフード 安全」のコンテンツを組み込むべきか、または別ページとしてクラスタ化するべきかを調べてみましょう。
上記の結果は、「キャットフード」にてGoogleで上位表示化に成功している9ページ(サイト)に、「キャットフード 安全」のコンテンツも含まれているか、また上位表示されているかどうかを調査した結果です。
「キャットフード 安全」のコンテンツが含まれているかどうかは、Googleで「キャットフード 安全」を検索した際にヒットするページが、「キャットフード」で検索した際にヒットした同ドメインのページと一致しているかをチェックしています。
データを見る限りでは、「キャットフード」のピラーコンテンツの中に「キャットフード 安全」のコンテンツが組み込まれているサイトが多いことがわかります。
つまり、この2つのキーワードを分離してしまうと、カニバリを起こしてしまう可能性があります。
よって9ページ(サイト)中5ページ(サイト)が、ピラーページにコンテンツを組み込んでいる事から、【「キャットフード」のピラーページに「キャットフード 安全」のコンテンツを盛り込む】が最適解となります。
「キャットフード」と「キャットフード 安い」
「キャットフード 安い(ホームセンター)」は、重複2回、直下再検索にも出ている再検索キーワードです。
厳密には、「キャットフード 安い ホームセンター」のように「+ホームセンター」といった余計なキーワードも入っていますが、今回は見なしで「キャットフード 安い」とまとめてしまいます。
「キャットフード」のメインコンテンツに「キャットフード 安い」のコンテンツを組み込むべきか、または別ページとしてクラスタ化するべきかを調べてみましょう。
上記の結果は、「キャットフード」にてGoogleで上位表示化に成功している10ページ(サイト)に、「キャットフード 安い」のコンテンツも含まれているか、また上位表示されているかどうかを調査した結果です。
「キャットフード 安い」のコンテンツが含まれているかどうかは、Googleで「キャットフード 安い」を検索した際にヒットするページが、「キャットフード」で検索した際にヒットした同ドメインのページと一致しているかをチェックしています。
データを見る限りでは、「キャットフード」のピラーコンテンツの中に「キャットフード 安い」のコンテンツが組み込まれているサイトが多いことがわかります。
つまり、この2つのキーワードを分離してしまうと、カニバリを起こしてしまう可能性があります。
よって10ページ(サイト)中6ページ(サイト)が、ピラーページにコンテンツを組み込んでいる事から、【「キャットフード」のピラーページに「キャットフード 安い」のコンテンツを盛り込む】が最適解となります。
「キャットフード」と 「キャットフード食いつきランキング」
「キャットフード 食いつきランキング」は、重複2回、直下再検索にも出ている再検索キーワードです。
「キャットフード」のメインコンテンツに「キャットフード 食いつきランキング」のコンテンツを組み込むべきか、または別ページとしてクラスタ化するべきかを調べてみましょう。
上記の結果は、「キャットフード」にてGoogleで上位表示化に成功している10ページ(サイト)に、「キャットフード 食いつきランキング」のコンテンツも含まれているか、また上位表示されているかどうかを調査した結果です。
「キャットフード 食いつきランキング」のコンテンツが含まれているかどうかは、Googleで「キャットフード 食いつきランキング」を検索した際にヒットするページが、「キャットフード」で検索した際にヒットした同ドメインのページと一致しているかをチェックしています。
データを見る限りでは、「キャットフード」と「キャットフード 食いつきランキング」は別ページにしているサイトが多いことがわかります。
しかしながら、10ページ(サイト)中の1ページ(サイト)はピラーページ(「キャットフード」)に「キャットフード 食いつきランキング」のコンテンツも組み込んでいます。
この2つのキーワードは、カニバリを起こさないことがわかりましたが、関連性はまったく無いわけではありません。
ただ、今回は「キャットフード」でランクインしているサイトの中で、ピラーページに「キャットフード 食いつきランキング」を組み込んでいるサイトが1件であることから、【クラスター化しつつ、ピラーからクラスターページへ内部リンクする】が回答となります。
「キャットフード」と 「食べては いけない キャットフード 実名」
「食べては いけない キャットフード 実名」は、直下再検索にもPASFにも出ていませんが、再検索キーワードの重複が6回という再検索ニーズの非常に高いキーワードです。
「キャットフード」のメインコンテンツに「食べては いけない キャットフード 実名」のコンテンツを組み込むべきか、または別ページとしてクラスタ化するべきかを調べてみましょう。
上記の結果は、「キャットフード」にてGoogleで上位表示化に成功してい9ページ(サイト)に、「食べては いけない キャットフード 実名」のコンテンツも含まれているか、また上位表示されているかどうかを調査した結果です。
「食べては いけない キャットフード 実名」のコンテンツが含まれているかどうかは、Googleで「食べては いけない キャットフード 実名」を検索した際にヒットするページが、「キャットフード」で検索した際にヒットした同ドメインのページと一致しているかをチェックしています。
データを見る限りでは、9ページ(サイト)中の2ページ(サイト)はピラーページ(「キャットフード」)に「食べては いけない キャットフード 実名」のコンテンツも組み込んでおり、クラスター化(別ページ)にしているのは、2ページ(サイト)と同数となり、この2つのキーワードは、カニバリを起こさないことがわかりました。
さらに注意深く見てみると、9ページ(サイト)中の5ページは、「(none)」となっており、「食べては いけない キャットフード 実名」を題材としたコンテンツを、そもそもサイト自体が所有していない事がわかりました。
「食べては いけない キャットフード 実名」は再検索キーワードとして、ユーザーに非常に強く求められているコンテンツである事には間違いありませんが、「キャットフード」のピラーページとは関連性が低い為、【クラスター化しつつ、内部リンクはしない】が最適解となります。
このようなキーワードは、ライバルサイトも少なく、非常に狙い目なキーワードです。
まとめ
以上のようにライバルサイトを比較した調査データを見ること事により、ピラーページに追加予定の関連キーワードを組み込むか、またはカニバリを起こさずにクラスター化が可能かを判別することが出来ます。
しかしながら、ここで紹介した調査方法を手動で行うには、非常に手間と時間がかかります。
また、対象キーワードでランクインしているページを1つ1つ目視で調査する必要があるので、人為的なミスや混乱を招くこともあるでしょう。
そこで、上記作業を簡単に行える「トピッククラスター分析ツール:ピラクラ」をご紹介します。
煩わしい作業を効率化する為に開発しました。
ピラーページに設定しているキーワードと、追加しようとしているキーワードを入力するだけで、ピラーページにコンテンツを組み込むか、クラスターページとして分離するか、ボタン1つで判別することが可能です。
また、スクリーンショットにある「④:エクセルに貼って比較する②と③のデータ(A1を始点にエクセルへコピペすると便利!)」の部分をエクセルにコピペすると、本ページで紹介した比較表を簡単に作ることが出来ます。
トピッククラスターモデルの概念は理解してるんだけど、「ピラーとクラスターをどのように分けたら良いかわからない」「2つのキーワードを別ページとして分けてしまうと、カニバリが起きてしまうのでは?」といった方は、是非活用していただければと思います。
YouTube動画 – 柏崎剛SEO対策チャンネル
よくある質問
📕 トピッククラスターの具体的な事例はありますか?
📖 トピッククラスターの具体例として、メインテーマ「SEO対策」をピラーページとし、その下に「キーワード選定」「内部リンク構築」「コンテンツマーケティング」などのサブトピックをクラスターコンテンツとして配置する方法があります。これにより、関連情報が体系的に整理され、ユーザーは必要な情報にアクセスしやすくなります。また、内部リンクを効果的に活用することで、検索エンジンからの評価向上も期待できます。
📕 トピッククラスターを導入するとカニバリゼーションが発生する可能性はありますか?
📖 トピッククラスターを適切に設計・運用すれば、カニバリゼーション(同一サイト内でのコンテンツ競合)を防ぐことが可能です。各クラスターコンテンツが明確に異なるサブトピックを扱い、ピラーページがそれらを統括する構造を持つことで、重複を避け、検索エンジンからの評価を高めることができます。しかし、トピックの選定やコンテンツの重複に注意を払わないと、カニバリゼーションが発生するリスクがあります。
📕 SNSにおけるコンテンツピラーの活用方法は?
概要ページ
このページは、”トピッククラスターモデルとは?戦略的な作り方と分析方法“に関連する記事です。
この記事の執筆者・監修者。当サイトの運営者で、目からウロコのSEO対策「真」常識の著者。主にSEOの考え方について、現場での経験から、どのようにGoogle検索エンジン対策を行えばよいかを具体的に解説できるよう努めています。再検索キーワード調査ツール、トピッククラスター構築ツール、共起語検索ツール、競合キーワード調査ツール、キーワード候補調査ツール、検索ボリューム調査ツール、見出し抽出ツール、サジェストキーワード取得ツール、MEO順位チェックツールの考案者であり開発者。更に詳しくはプロフィールをご覧ください。SEO対策のお仕事に関するご依頼・お申し込みは、こちらのフォームから承っております。