DoS

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Dosとは

Dos(Denial of Service、サービス拒否)とは、サーバーやネットワークに過剰な負荷をかけることで、そのサービスを正常に機能しなくさせる攻撃の一種です。この攻撃により、ウェブサイトやオンラインサービスの利用が一時的、または長期的に妨害され、正規のユーザーがサービスにアクセスできなくなります。Dos攻撃は主に、特定のリソース(CPU、メモリ、帯域幅など)を過剰に消費させることで発生しますが、攻撃の規模や種類によって異なる方法が存在します。

Dos攻撃とDdos攻撃の違い

Dos攻撃と似た用語に「Ddos攻撃(Distributed Denial of Service)」がありますが、これらは異なる仕組みで行われます。

Dos攻撃

Dos攻撃は、単一の端末やIPアドレスから大量のトラフィックを送り込むことで、対象のサービスを停止させようとする手法です。攻撃が発信されるIPが特定しやすい分、比較的防御も行いやすい側面があります。しかし、規模が大きい場合は、単独でもサーバーリソースに負荷をかけ、サービスが利用不可になることがあります。

Ddos攻撃

Ddos攻撃は「分散型サービス拒否攻撃」を指し、複数の端末やIPアドレスから一斉にトラフィックを送り込むことで、サーバーに過剰な負荷をかけます。通常、攻撃者はボットネットと呼ばれる複数のマルウェア感染端末を利用し、世界中から一斉に攻撃するため、元の攻撃元を特定しにくい特徴があります。Ddos攻撃はDos攻撃に比べて規模が大きく、対策も困難で、インターネットプロトコル(IP)やネットワーク全体に負荷をかけることが可能です。

Dos攻撃の種類と手法

Dos攻撃にはいくつかの種類があり、異なる手法でターゲットに影響を及ぼします。以下は代表的なDos攻撃の例です。

帯域幅枯渇型攻撃

帯域幅枯渇型攻撃は、ネットワークの帯域幅(データ通信量)を消費することを目的とした攻撃です。大量のデータパケットを送り込み、ネットワークの通信量を限界まで使用することで、他のユーザーがサーバーにアクセスできない状態を作り出します。

サーバーリソース消耗型攻撃

サーバーリソース消耗型攻撃は、CPUやメモリといったサーバーリソースに負荷をかける攻撃です。たとえば、複雑なリクエストを大量に送り、サーバーの処理能力を使い切ることで、通常のトラフィック処理が滞るようになります。これにより、サーバーが過負荷状態となり、正常なサービス提供ができなくなります。

アプリケーション層攻撃

アプリケーション層攻撃は、特定のウェブアプリケーションやサービスを対象に、アプリケーションが処理しにくいリクエストを大量に送りつけることで負荷をかけます。代表的なものに「HTTP Flood」や「Slowloris」があり、特定のページやサービスに大量のリクエストを集中させることで、アプリケーション自体がダウンする可能性があります。

SYNフラッド攻撃

SYNフラッド攻撃は、通信開始時に送信されるSYNパケットを利用し、サーバーの接続リソースを枯渇させる手法です。通常、通信が始まる際にクライアントがサーバーにSYNパケットを送り、サーバーが応答しますが、攻撃者はこの応答を無視して大量にSYNパケットのみを送り続けます。結果としてサーバーが大量の接続を処理しきれず、リソース不足となります。

Dos攻撃がもたらす影響

Dos攻撃は、オンラインサービスやウェブサイトにさまざまな影響を与えます。以下は、Dos攻撃がもたらす代表的な影響です。

サービス停止とアクセスの困難化

Dos攻撃により、サーバーが過負荷状態になると、正規のユーザーがサービスにアクセスできなくなります。これにより、ユーザーの信頼が損なわれるだけでなく、サービスを提供する企業やサイトにとっても大きな損失となります。

サーバーリソースの消耗

Dos攻撃はサーバーのリソースを大量に消費するため、通常のトラフィック処理が困難になり、サーバーが応答しなくなるケースがあります。例えば、CPUやメモリのリソースが枯渇することで、他のアプリケーションやサービスにも影響を及ぼす可能性があります。

ネットワーク全体への影響

特にDdos攻撃の場合、ネットワーク全体にトラフィックが一気に流れ込むため、特定のサーバーだけでなくネットワーク全体に遅延や障害が発生することがあります。これは、同一ネットワーク上の他のサービスやサイトにも影響を与え、サービス提供者のインフラ全体にリスクをもたらす要因となります。

ブランドイメージへの影響

サービスが停止すると、ユーザーの不満が高まり、特に商業サイトや金融機関の場合はブランドイメージや信頼性が低下する可能性があります。また、頻繁なDos攻撃を受けることで、顧客が競合他社に流れるリスクも考えられます。

Dos攻撃への対策方法

Dos攻撃に対しては、適切な対策を講じることで影響を最小限に抑えることが可能です。以下は、一般的なDos攻撃への防御方法です。

ファイアウォールやWAF(Web Application Firewall)の導入

ファイアウォールやWAFは、不審なトラフィックを検知し、Dos攻撃を防ぐための基本的な防御手段です。特にWAFはアプリケーション層の攻撃に対して有効で、異常なアクセスパターンやリクエストを自動的に遮断します。

負荷分散(ロードバランシング)

負荷分散を行うことで、複数のサーバー間でトラフィックを分散し、1台のサーバーに過剰な負荷がかからないようにします。これにより、サーバーリソースの使用が効率化され、Dos攻撃による影響を分散することが可能です。

トラフィック監視と自動応答システムの導入

定期的なトラフィック監視を行うことで、異常なアクセスやトラフィックの急増を早期に発見し、対応が可能になります。自動応答システムにより、異常を検知した際に警告を出し、必要に応じて一部のアクセスを制限することで攻撃の影響を最小限に抑えます。

CDN(Content Delivery Network)の利用

CDNを活用することで、複数のサーバーでコンテンツを分散配信し、Dos攻撃の影響を軽減できます。CDNは各地に分散したサーバーを利用し、トラフィックの負荷を分散するため、1つのサーバーへの過負荷が軽減されます。

インターネットプロトコルとDos攻撃の関係

Dos攻撃の多くはインターネットプロトコル(IP)に関連する技術を悪用しています。たとえば、IPプロトコルを通じて不正なパケットを大量に送り込むことでサーバーを過負荷状態にさせる手法が典型的です。また、TCP/IPの通信手順を悪用してサーバーリソースを消耗させる方法も一般的に用いられます。インターネットプロトコルを理解し、通信制御を行うことがDos攻撃への防御策となり得ます。

Dos攻撃とSEOへの影響

Dos攻撃を受けてサービスが停止した場合、検索エンジンにとってもサイトのアクセス不良と見なされる可能性があります。Googleなどの検索エンジンは、ユーザーエクスペリエンスを重視しているため、サイトが頻繁にアクセス不能になると、検索順位に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、Dos攻撃への対策は、SEOにおいても重要な防御策と考えられます。

Dos攻撃に対する適切な防御を行い、ウェブサイトの安定した運用を維持することは、ユーザーにとっての信頼性確保だけでなく、SEO上の観点からも意識しておくべき点です。

 

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