ISO

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ISOとは

ISO(International Organization for Standardization)とは、国際標準化機構の略称で、製品やサービスの品質、信頼性、安全性などの国際基準を策定する機関です。ISOの規格は、さまざまな業界や分野に適用され、国や地域を越えて統一された基準を提供することで、ビジネス活動の円滑化や製品・サービスの向上に貢献しています。ISOの規格は技術的な側面だけでなく、品質管理や環境保護、ユーザビリティ(使いやすさ)などの幅広い要素を含んでおり、組織や個人が国際的な基準に準じた活動を行う指針ともなります。

ISOの目的と役割

ISOは、国際的に統一された規格を策定することで、製品やサービスの標準化を推進しています。これにより、各国で異なる基準を解消し、製品やサービスの品質と安全性が向上し、貿易の促進が図られています。特に、ビジネスにおいてはISO規格に準拠することで顧客の信頼を得やすくなり、信頼性や競争力の向上が期待されます。また、ISOは国家標準化機関の連携を通じて、地球規模での技術発展や安全基準の確立を目指しています。

ISOの規格は、業界や分野に応じて異なり、多くの基準が策定されています。品質マネジメントシステム(ISO 9001)や環境マネジメントシステム(ISO 14001)、情報セキュリティ管理(ISO 27001)など、特定の分野に焦点を当てた規格が広く採用されています。

ISO 9241とユーザビリティ

ISO 9241は、特にユーザビリティ(使いやすさ)に関する規格で、情報システムやインターフェース設計においてよく参照される規格です。ISO 9241-11では、ユーザビリティの定義が示されており、特にシステムや製品が「使いやすい」と感じられるための基準が詳述されています。この規格において、ユーザビリティとは「特定の利用環境で、特定の利用者が目標を達成するために、効率的かつ満足のいく方法で利用できるかどうか」と定義されています。

ISO 9241-11は2018年に改訂され、ユーザビリティの評価方法が明確化されました。この規格は、ウェブサイトやアプリケーションなど、デジタルプロダクトの使いやすさを評価・改善するための指針として、企業やデザイナーに活用されています。特に、ユーザビリティが重視される分野では、ISO 9241-11の基準に沿ってインターフェース設計やUX(ユーザー体験)を検討することが求められることが多く、SEOにおいてもユーザビリティの改善が検索エンジン評価に影響することから、注目されています。

ISOの資格一覧とISO規格の種類

ISOには、多岐にわたる規格が存在し、各分野で専門的な知識や技術を持つことが求められる資格も存在します。以下はISOで提供される代表的な規格とその分野です。

  • ISO 9001(品質マネジメントシステム)
    製品やサービスの品質を管理し、改善するための基準。あらゆる業界で幅広く採用されています。
  • ISO 14001(環境マネジメントシステム)
    環境保護を考慮した運営管理のための基準。エコに配慮した経営を支援します。
  • ISO 27001(情報セキュリティ管理システム)
    情報セキュリティの確保を目的とした基準。データ保護やセキュリティ対策の標準。
  • ISO 45001(労働安全衛生マネジメントシステム)
    労働環境の安全と健康を確保するための基準。特に産業分野で重要視されます。
  • ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム)
    エネルギー効率の向上を図るための基準。持続可能なエネルギー使用を促進。

これらのISO規格に準拠することで、企業は国際的な基準に基づいた運営を行うことが可能となり、取引先や顧客からの信頼も得やすくなります。また、ISO規格に基づく認証を取得することは、企業の競争力を高める一助となります。

ISOとJISの違い

ISOとJIS(日本工業規格)は、どちらも標準化を目的とした規格ですが、適用範囲や目的に若干の違いがあります。ISOは国際標準化機構として、全世界の標準化を目指しているのに対し、JISは日本国内における標準規格を提供しています。つまり、JISはISOの日本版と言えるもので、国内市場に適した基準を制定しています。

例えば、ISO 9241はユーザビリティの国際規格であり、これに対応するJIS Z 8521が日本国内において同様の基準を提供しています。このように、ISO規格は各国でJISなどのローカル規格として採用され、現地の産業や市場に合わせて適用されています。

ISO 9241-11と日本語の規格対応

ISO 9241-11はユーザビリティに関する国際的な基準ですが、日本においてはJIS Z 8521がその内容に対応しています。この規格は、日本企業がユーザビリティを評価し、改善する際の基準として役立っています。ISO 9241-11とJIS Z 8521は、使いやすさの定義や評価方法に関して共通の基準を持ち、国内外で一貫した評価が可能です。

また、ISO 9241-11:2018の改訂によって、従来の評価基準がさらに詳細化され、具体的なユーザー体験の質を向上させるための指針が強化されました。これにより、ウェブサイトやアプリケーションの設計段階でISO規格を考慮することが一般的になり、ユーザビリティにおいて世界標準に準拠した製品が増加しています。

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